• ポーランド食器&愛犬とドイツ生活

犬に優しく、どこでも一緒に行けて共に生活できるというドイツ。
私か経験した、ドイツでの犬の購入と、犬との生活に関して紹介します。

ドイツで犬を購入するには?

 ドイツで犬を購入するのはなかなか大変です。ドイツの街では、ペットの犬はよく見かけるし、デパートやレストランの中に入るのもOK。もちろん電車にだって乗れるし、ペットには優しい国ですが、ペットに優しいが故に、なかなか簡単には手に入りません。
 まず、動物愛護のために、ペットの犬を販売するときにも一匹当たり最低2x3mのスペースを取ることが義務づけられているらしく、実際には、どこのペットショップに行っても犬は売っていません。
 ペットを購入するには、ブリーダーさんから購入するか保護施設から購入することになります。私の場合は、ドイツ人の知り合いの勧めもあり(犬をこよなく愛するドイツ人で、母犬を生産工場のように扱うブリーダーから買う事には猛反対)、保護施設から購入したのでそのプロセスを紹介します。

Tierheimで犬の購入

 ドイツは、犬の殺処分は行っておらず、いたるところにTierheim(ドイツ語で動物の家)と呼ばれる、日本でいう保健所のようなところがあって、多くのボランティアの人たちが保護した犬の世話をしてるところがあります。フランクフルトの近くにあるいくつかのTierheimに訪問したので紹介します。

– FrankfurutのTierheim (http://www.tsv-frankfurt.de)
 フランクフルトの街から少し東に行ったところにあるTierheimに行きました。ここは、かなり大きな施設で、保護されている犬も多く、おそらく50頭近くはいました。
 私が行った時には、生後3か月ほどのレトリーバーの仔犬もいましたが、既に飼い主が見つかってました。雑種のかわいい子もいましたが、話を聞いてみると、耳が聞こえず、しかも何か重い病気で他の犬と接することが出来ないので、初心者には譲れませんとのこと。中には、何らかの理由で人に怯えて凶暴になってしまっている子達もいましたが、飼育員さんたちが丁寧に世話、躾をされていました。
 私は、ここでは、いい子に巡り合えませんでしたがタイミングもあるのでホームページを事前に見てどんな子たちがいるのか事前に調べておいた方がいいと思います。

-OberurselのTierheim (http://www.tierheim-hochtaunus.de)
 Oberurselという町(フランクフルトから車で約25分)にあるTierheimにも行きました。このTierheimでは、犬の保護だけでなく、ボランティアの一環で、一般の人がTierheimで保護されている犬の散歩をできるというサービスや、数日間飼っているを犬を預かってくれるホテルサービスもやっている様です。
 このTierheimは小さな施設で、保護されている犬も十数頭しかいませんでした。みんな、個別の広い柵の中にいてその奥には寝床になるような小屋への入り口があり、小屋と柵の中を自由に行き来してました。でも、ここで保護されている犬たちは、人間に怯えて、あまり懐かなくなってしまった犬ばかりで、みんな既に数年間Tierheimで暮らしてました。施設の人に聞いても、「初めて犬を飼う人にお勧めできる子は、今はいないよ。」と言われて、ここでは諦めることになりました。
 諦めかけていましたが、 粘り強くインターネットでTierheimの情報を見ていると、OberurselのTierheimのサイトで、気に入った子を見つけました。インターネットのサイトでは、その施設で保護しているペットの情報だけでなく、提携している他の組織や団体の情報も載っているようで、その気に入った子は、ドーベルマンノティフ(https://dobermann-nothilfe.de/)という団体に保護されていました。もう一度、Tierheimを訪問し、購入の手続きを進めていく事ができました。

ドイツでの犬の購入手続き

 インターネットで見つけた愛犬の名前はジニー。雑種、ポーランド生まれで、当時は、生まれたばかりの生後2か月で、まだポーランドに居ました。まずは、Tierheimで紹介してもらったドーベルマンノティフに連絡したところ、まずは面接をさせてほしいと返事がきました。
 簡単には保護されている犬を譲ったりせず、その人が、しっかり犬の面倒を見られるか?犬が住むのに適した住宅環境を提供できるのか?を確認されます。面接のアポをとると、ドーベルマンノティフの人ではなく、各地にある一般ボランティアのネットワークの中から、私の家の辺りに住んでいる人が選ばれて家にやってきました。その人に、家を見せて、何故犬を飼いたいのか?誰が散歩するのか?誰が昼間の間面倒を見るのか?などなど細かな質問をされてました。(英語しか話せないことを伝えると、英語のできるドイツ人が来てくれました。)
 しばらくしてから、ドーベルマンノティフから面接の結果はOKだったので、犬を譲りますと連絡が来ました。ドイツ語の誓約書が一緒に送られてきて、ちゃんと面倒を見ます、これ以上保護される犬を増やさないように避妊治療を受けさせますなどなどの条件を約束して書類に際をしてやっと、ジニーを引き取ることになりました。(基本的には犬には値段はついてませんが手数料など200ユーロ程度支払いました。
 当時、ジニーは生後2か月で、まだポーランドに居ましたが、ポーランドからドイツの中心部までは約900kmの道のりがあるので、負担を考えて生後4か月になるまでは長距離の移動はさせられないとのことで、2017年1月まで約2か月間待ち遠しい日々が続くことになりました。

犬の引き取り

やっとジニーが生後4ヶ月になり、引き取る日がやってきました。引き取り場所に指定されたのは、Dusseldorfの北にある町で、フランクフルトから車で2時間ほどかかる場所でした。
 そこは、何もない畑と牧場が広がる場所で、牧場を営んでおられる一般の家でした。その牧場には馬やたくさんの賢い犬が飼われていて、当日には他にも犬を引き取りに来た家族が沢山いました。おそらく、この牧場の家の人もボランティアで場所を提供しているのだと思います。
 しばらく待っていると、5匹ほどの犬を乗せたドーベルマンノティフのワゴン車が到着しました。一匹ずつ、新たしい飼い主に引き取られていき、ようやくジニーと出会うことができました。初めての犬を家族に迎え入れるので、すごく喜びながらも恐る恐る抱きかかえて、家路につきました。
 引き取った後、約3ヶ月ほど建ったころ、ドーベルマンノティフから連絡があり、問題なく世話を出来ているかボランティアの人が、また家に来て確認されました。本当に徹底してやっているので感心します。